コジケンは今日も仕事があるらしくひっそりと朝早くに出勤した。


2日酔いのせいで頭がガンガンした。

朝食を頂いた後は3人でドライブをしに行った。

富山にせっかく来たので北アルプス方面に車を進めたんだけど、山の上の方は霧で覆われてしまっていて アルプスの壮大な景観を見ることが出来なくて残念だった。

富山市内から車を40分走らせただけで立山の麓まで来てしまう。

登山愛好者にとっては夢の街だな。

立山の麓と市街地では3℃ぐらいの違いを感じるほど涼しげな風が吹いていた。

麓の駐車場から1.5km離れた称名滝を見物するため歩いて向かった。

谷を流れる清らかな水は透き通っているというより真っ青な色をしていて、不思議な色合いだった。

水に含まれる鉱物によるものかもしれない。

滝の近くまで行くと、勢いよく滝壺に落ちた水が水煙となり風に乗って谷を漂っていた。

それによって川に架かった橋の手すりはキンキンに冷えていた。

夏の暑い日はいつまでもここで滝を見続けていたい。

称名滝は落差が350mあり日本一だ。

残念ながら上の方は霞んでしまい見えなかったが山肌が水煙に淡く霞む風景は美しかった。

15時に大ちゃんとテルテル一家に別れを告げた。

お世話になりました。

時間が遅いため先にはあまり進めない。

県境にある無料のキャンプサイトを目指し県道を進んだ。

黒部市付近まで来ると、ところどころに湧水があり、北アルプスの恩恵が人々の生活を潤していた。

黒部市の水道料金は富山県で一番安く全国でも6番目のようだ。

全国の上位に入る街もやはり湧水が豊富にある場所で、安くて美味しい水が蛇口をひねれば飲めるのだから、それほど贅沢なことはない。

到着したキャンプサイトの水道も全て湧水を利用し、常に流しっぱなしにしていた。

贅沢極まりないキャンプサイトだ。

海岸の松原のなかに存在し、とても静かだった。

テントを張り終え夕食をとっている時、近くで宴会をしていたおやじ達が一緒に飲もうと声をかけてくれて、遠慮することもなくお呼ばれした。

定年を迎えたり早期退職をした人たちで、大手メーカーの元同僚の集まりだそうだ。

60歳近くになって、こうして友達と集まってキャンプをするのっていいね。

俺も死ぬまで友達と遊び続けられたらなと思う。

仕事が介護士の人や介護のボランティアに行っている人が多いため、自然に会話の流れが介護になり、グループホーム、デイケア、特別養護老人ホームなどの話を絶え間なくしていた。

関わっている人間だけあって、自分が知らなかった痛ましい介護の現状を知ることができた。

糞尿や汚物、薬、食べ物の匂いが充満している施設もあり、入所した時は毎日吐いていたそうだ。

予算がない施設は紙おむつを購入できないから糞尿のついたオシメを手洗いしなければならない。

20歳そこそこの若い介護士やヘルパーがまるで動物を扱うように命令口調で老人と接する。

胸が痛くて自分の未来を考えることが出来なかった。

生涯を終えるときがこんなにも切ないなんて思いたくなかった。

いつか俺もボケる時がくる。

ちろちろと燃えるろうそくの火のような微かな残り火。

その残り火には愛くるしいほどに深く皺が刻まれ、一体どのような人生を歩んできたんだろうと思わされる。

老人との接し方を考えさせられた。


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