最近の朝はとても涼しく寝苦しいと感じることがない。
今日の朝ものんびりと6時に起きてぐーたらぐーたら身支度をする。
田中さんが準備を終えても30分はダラダラと準備していた。
荷物をコンパクトにたたもうとするとその分時間がかかる。
今日は自分がペースメーカーとなり走った。
人に引っ張られて走るのはマラソンと同じで、いつもより早いペースでも楽に感じることができる。
10時頃に金沢のゲストハウスに到着して荷物を預け、金沢観光へと繰り出した。
街を散策しているとクラクションの音がよく鳴り響いていた。
金沢の県民性なのか何かの合図なのかわからないけどよく鳴らしていた。
まずは兼六園を訪れ庭園を周遊する。
久々に手入れがいきとどいた風景を見ると新鮮なものだ。
丘の上に庭園が位置していることもあり、空中庭園といった風情を見せる箇所も存在した。
清掃員のおばさんたちが庭にしゃがみ込み、丁寧な手つきで雑草を取っていた。
気の遠くなるような作業だ。
だけど30分も庭園をぐるぐる回っていると、自分の目も慣れ始めてしまい飽きてしまうものだね。
庭園の楽しみ方は木陰のベンチや茶屋の縁側で涼みながら茶をすすり、じっくりと風景を味わいながら時間を過ごすことがいいのだろう。
昼飯を食べに中心街へと移動する。
最近、無性にカレーが食べたくて、ゴールドカレーという店に入った。
大手チェーン店よりも200円ぐらい価格帯が低く、独特の黒い色をしたルーにカツをのせたカレーがでてきた。
生れてはじめてカレーを食べたかのような感動的な味だった。
昼飯を食べた後はそれぞれの用を済ますため田中さんと別れた。
俺は雑用品の購入と商店街の散策をした。
その後は金沢で一番寄りたかった21世紀美術館を訪れた。
自分の好きな現代アートを所蔵した美術館だ。
残念なことに展示品の入れ替えのせいか半分近い展示スペースが閉鎖されていて、美術館のすべてを見ることが出来なかった。
現代アートはアーティストの発想やコンセプトやアティチュードが、斬新な切り口からされているものが多く刺激的だ。
作品に触れるだけでふつふつとエネルギーが湧いてくる感じがたまらない。
美術館を最後に金沢の観光を終えてゲストハウスへと戻った。
昨日と同じように部屋で永遠と話し続ける。
もう二人ともいい歳なのに修学旅行の夜のようなウキウキした気分が甦ってくる。
きっと畳に布団というスタイルが拍車をかけたんだろう。
久々のゆっくりとした一日に旅の疲れが癒され、自然な笑顔が戻っていた。
そんな気がした。
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