10時頃には気温は30℃を越え、むせ返るような炎天下の中、走り続ける。


しっかりとした暑さ対策を今日からとることにした。

首に濡れタオルを巻くようにし首上の体温の上昇を防ぐ。

1時間自転車を漕ぎ、30分の休憩をとるというサイクルを繰り返すようにする。

順調にリズムよくサイクルを繰り返していくと、休憩のたびに500ml以上のドリンクを口にしていた。

夕方には気づけば3リットル以上のドリンクを口にしていた。

出雲市の海岸線を走り続けていていると、日本海の海が綺麗なことに正直驚いた。

太平洋側に引けをとらないほどの透き通る美しさだ。

海岸線を抜けた後は出雲大社に立ち寄り、境内の木陰で汗がひくのを待った。

縁結びの神様としても名高く、神話のふるさと出雲を代表する場所とのこと。

現在は「平成の大遷宮」という行事のため、本宮周りは工事用の幕で覆われていて立ち入り禁止になっていた。

太陽が真上にくる時間になると空気がゆがむぐらい暑い。

なかなか日が当たった場所に出ることができない。

参道を鳥居に進む間に木陰から日が射している場所があった。

みんな涼しい顔をしていたのが、日が射す場所に出るとクシャッとした顔に変化するから面白い。

お腹が減っていたのでショッピングセンターに行き、レジ横のベンチで買ったご飯を食べ、ひんやりした空気のしたで転寝をした。

昼間の時間だというのにレジに並ぶ人はまばらで、人口の少なさを物語っていた。

出雲から松江に向かうルートは宍道湖の上側を進む道路を選び、畔を対岸に向かい自転車を漕いだ。

湖の上には等間隔に並んだ岩があり、鴨がその上で休んでいた。

写真に収めようと近づいていくと、気配によって離れていってしまう。

松江の市街地に着き、安宿に荷物を下した。

夕方に買い物がてら松江城のお堀の外周をぐるっと散歩する。

1時間も歩けば1周できるぐらいの大きさだ。

沢山の種類の蝉しぐれが聞こえてくる。

一際、ヒグラシの声は夕日で赤く染まったお堀に響きわたってた。

一日の終わりを告げるチャイムのように。

こうしてゆっくりと時間を使い、考え事をすることも旅では必要なんだと思う。

お城からは仕事や勉強を終えて、それぞれの家へ帰っていく人々が見えた。

朝から夜まで俺はそれぞれの生活を傍観し、人の営みとは何なのかを考えている。

人の幸せとは何なのかを考えている。


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