阿蘇の隣町である大津町で旧友との再会を果たした。


同郷であり、高校・大学と同じ学び舎に通っていた山さん。

自分の知らない音楽を教えてくれる師匠。

遠き熊本の地での再会は感慨深いものがあって、お互いに「よっ」って手を挙げた時には感動した。

少なからず毎日緊張感に包まれながら旅をしていたのだろう。

心は自然にくつろぎ始めた。

新婚の家庭にお邪魔し、お嫁さんの手料理をごちそうになった。

気づけば日をまたいでいるほど話し込んでいた。

翌朝、10時ぐらいにみんなでドライブに出かけた。

まずは阿蘇の大観峰をめざす。

濃霧で何も見えないことはわかっていたけど、心の目で見てやろうと山を登り始める。

昨日より濃霧がきついのか、対向車線側の白い壁からぬっと車が現れる。

大観峰につくと予想通り何も見えない。

防災訓練で体験した、煙が充満したボックスに入っているような雰囲気だ。

大観峰は阿蘇市側の外輪山の展望台をさす。

普段なら阿蘇のすべてを望むことができたけど、こんな日もこんな日で楽しいものだ。

計画を変えて熊本市内を観光することにした。 熊本市はとても栄えていた。

九州で3番目ぐらいに大きい都市のようだ。

商店街も広々としてごちゃごちゃしていない綺麗な街並みだ。

熊本城は日本3大名城と言われるだけあって大きな城。

モノクロのコントラストが綺麗で、建物も多く見応えがある。

熊本城では独特の募金制度である「一口城主」という制度をとっている。

熊本城に対して1万円以上の寄付を行った人を「一口城主(ひとくちじょうしゅ)」として認定し、天守内に城主として認定を受けた寄付者名の書かれた札がかけられる。

寄付金は復元整備事業などに使われている。

寄付した人数も38,000人を超え、募金額は4億円を突破したそうだ。

天守閣内にかかった札の中から、芸能人を探す人も多くいた。

帰り道に商店街を通ると、女子高生の姿が目立った。

熊本市は私立の高校が多いみたいだ。

多種多様のセーラ服が街に氾濫していた。

関東地方ではあまり見ない奇抜なデザインのセーラ服。

すれ違うたびに衝撃的を受けた。

「全国学生服研究会」では九州No.1に輝いているセーラー服もある。

なんのことだか・・・

大津に帰ってからは、夕食の時間まで町営の野球グランドでギターを弾いていた。

子供たちが無邪気にサッカーをしたりキャッチボールしたりしてボールとたわむれていた。

広々とした芝生の上を走り回りキャッキャっする姿はかわいい。

今日もお嫁さんのおいしい手料理をごちそうになりお腹いっぱいになった。

旅で一番恋しくなるのは外食ではなくて家庭の味。

ふれあいのある食事はどんな高級な料理よりも心を満たしてくれるものだね。

良い1日だった。


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