朝の3時に目を覚まし、辺りを徘徊する。


高千穂は高地にあるため星が綺麗に見える。

大きな谷にかかる橋の上から暗がりを覗きこんでいた。

30分も歩かないうちに体が冷えはじめ、テントの中に籠り直した。

4時半にもう一度目が覚め、テントから這いずり出る。 道の駅の近くに寝ると、眠りが浅く90分周期ぐらいで目を覚ましてしまう。

高千穂の朝は美しく幻想的だった。

遠くの方まで連なる山々に深い霧がかかり、いかにも神々が降臨したという神話を物語っているようだ。

もっと景色のよい場所から見たら、神々しいまでの絶景を目の当たりにできたに違いない。

山の単位に1座、2座を用いる場合があるけど、これは山を神様が座る場所ととらえているからなんだね。

高千穂の連山は数多の神々が鎮座していると捉えると、自ずと神話の郷と語り継がれてきたことがわかる。

高千穂から遠くない場所に天岩戸神社があり、その近くに天安河原という場所がある。 神様が会議を開いたといわれる場所だ。

6時半に出発し、朝の陽光を浴びながら阿蘇の東に位置する祖母連山の壮大な景観を脇目に見る。

九州の中央にいくつもの連山が存在するから生み出されるこの景色。 海もいいが山も負けじといい。

峠となるトンネルを抜けるともうそこは南阿蘇村。 今までの景色から一変する。

阿蘇は世界最大級のカルデラであり、真ん中には涅槃像のように美しく連なった阿蘇五岳がある。

その南の麓に位置するのが南阿蘇村だ。 麓のゆるく窪んだ平野には田園が広がり、カルデラの地形がまるっと見える。

トンネルから出て、カルデラを目の当たりにすると

「おおー阿蘇じゃんか」と街で偶然あった友達に元気か?

と聞くのと同じような親しみのある言葉が漏れた。

南阿蘇には贅沢にも10か所ほどの水源があり、湧水は田畑の用水となると共に水道水としても利用されている。

自然豊かな南阿蘇は固まった心をもみほぐしてくれる。 そんな場所だと思う。

昼過ぎにゲストハウスを訪れ、その後はのんびり村をまわった。 田んぼの脇には線路が続き、水源の池が点在する。

外輪山の麓に道の駅が建てられていて、テラスからは村を一望できる。

テラスに置かれたテーブルにすわり阿蘇で育った牛から絞った牛乳を飲んだ。

夕方になるまでゆっくりと田園の脇道を流していた。


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