広島の市街地に入ると、新式の路面電車が通りを行きかっていた。


今日はバックパッカーズに初めて宿泊する。 男女共同の相部屋ということで緊張するが宿泊することにした。

荷物を預け、宮島に向かおうとした時、満潮の時間が「10:50」であることをスタッフから告げられた。

現在の時刻は「10:50」。運が悪い。 早く行かないと潮が引いて干上がってしまう。

荷物を置いてすぐにその場を飛び出した。

バックパッカーズは好立地の原爆ドーム周辺にある。 ここから宮島へは意外にも遠く23㎞もある。

颯爽と宿を飛出し、国道を突き進んだ。

国道沿いには並行して電車が走っており、きっとこの電車に乗って広島市から宮島へ観光しに行くのだろう。

23㎞の道のりを飛ばし、「11:55発」のフェリーに乗ることができた。

20分もしないうちに宮島へと到着し、問題の厳島神社にはまだ全体的に水が残っていた。

汗を流した一苦労が水の泡にならずにすんで、本当にホッとした。

水の上に建てられている建物は綺麗だね。神社の赤い漆喰が水面に反射され美しい。

この海上に浮かぶ独創的な寝殿造りは平清盛により造営された。 潮が引くと海上に建っている大鳥居まで歩いていくことができ、周辺の砂州が広々とした境内となる。

見上げた発想だ。 海の上に建ち、海そのものを舞台とした建築は他に類をみないらしい。

厳島神社を訪れた時はちょうど結婚式が行われていて、しちりきや笛の音色に合わせて舞楽が高舞台で披露されていた。

神社を離れ、島の反対側に自転車を進めると、静かな海岸やキャンプ場が存在している。

鹿がポツンポツンと配給された餌を食べているほかは人気がほとんどなかった。

表参道の裏手にある町屋通りでふらっとカフェに立ち寄った。

築250年の杓子問屋の建物を活用し、ギャラリーとして営まれている。 玄関から中庭に抜ける風がとても気持ちよく、ついつい時間を忘れ雑誌などを読みふけっていた。

オーナー夫婦のほんわかした人柄は、地元の人達を集め、たまり場となっている。

オーナーさんと旅の話を接客の合間に話したりし、茶菓子をごちそうして頂いた。

中庭に植えられたもみじを見ながら、もみじまんじゅうを口に運ぶ。 贅沢なひと時だったな。

夜になると厳島神社がライトアップされ、とても綺麗だと伺ったのだけど、日没が「19:30」だと広島に戻るのが22:00近くになってしまう。 残念だけど今回は諦め、日が沈む前に広島へ戻ることにした。

バックパッカーズに戻ると、わんさかと外人さんがたむろしている。 やっぱり緊張するね。

同室には8個のベッドがあって、そのうち3人は女性、4人は男性で、日本人男性が3人相部屋となった。

広島は今、「とおかさん」という祭りの最中で、外人さん達は8時過ぎになると、いっせいに祭りへとくりだし、宿はものけのからになった。

そこで出かけていなかった同室の日本人の方、ニッチーさんと会話をした。

ニッチーさんは出張で広島に来ていて、海外交流という興味本位で、今回のドミトリー型式のこの宿に宿泊をすることにしたんだそうだ。

ニッチーさんとは音楽という共通の趣味があり、ライブや曲について話しをし、夢についても話した。

病気を抱えた人たちを少しでも勇気づけたいから、全国の病気を抱えた若者たちにバンドを組んでもらって、 バンド大会をやってみたい。そんで決勝大会は日本武道館だな!

壮大な夢。 いいな。 こっちまでワクワクする。

ニッチーさんは身体障害者を支援する団体にも所属している。 すごいな。

人の楽しそうに夢を話すときは、自分の心にもそれが移って、高揚した気分になる。

だから人に「夢って何?」って聞いてしまうのかな。

会話の途中でフランス人の方が入ってきて、お互い片言と大げさなジェスチャーでな会話をしたけど、もどかしいったらありゃしなかった。

まあ俺らには良い収穫だったかな。

 
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