昨日は日が落ちてあたりが暗闇に包まれても、その場から動くことができなかった。


その場にテントを張り、静けさの中眠りについていた。 浅い眠りから目覚め、ぼやけた頭でテントのファスナーを下すと目の前の世界が白色に包まれていた。

眼下の海からかすかに聞こえる船の汽笛が、ここが山の上だということを思い出させてくれた。

時間が経つとうっすらと霜が山の下へ下へと降りていき、鳥たちの鳴き声があたりに聞こえ始めた。 山から海を望むと、空と海との境がまるでわからなく、白いキャンパスの上を船が行き来していた。

しまなみ海道を渡るには全部で6つの島を渡ることになる。

島と島の間には橋が架かっており、通行料を払って渡るようになる。 愛媛県の今治から広島県の尾道まで渡りきるのに、600円かかる。

今日は愛媛側の3つ目の島、大三島でゆっくり過ごすことにした。

島は「大」が付くぐらいなので、割と大きく、島を半周するのに3時間費やした。

途中、サイクリングコースから離れ、田舎の家々の間をすり抜けあぜ道をのんびりと走ったり、あてもなく時間を使い島の雰囲気を体で感じていた。

昼食を買いに地元のスーパーに足を運び、海鮮丼を購入した。 その辺の定食屋や道の駅のレストランで食べるのとさほど変わらないだろうな。

海鮮丼の良し悪しは魚の鮮度と旬。 地産の魚を使った海鮮丼なんだからスーパーでも同じ品質だと思う。

魚の切り身はボリュームがあり、魚の種類も豊富で予想以上に堪能できた。 スーパーでこんな美味しいものが食べれるのは幸せだな。

ご飯を食べた後は汗を流しに大三島にある多田羅温泉へ行った。 地元の人が利用する銭湯に近い。

番台のおばさんも暇なのか井戸端会議に参加している。

風呂上りは畳の部屋で体を冷まし、窓から吹き抜ける風をあびながら横になった。

涼しい風がはいってくる。風に乗って田んぼの土の匂いがした。

大三島から橋を渡ると、そこは広島県の尾道市。 県をまたぐと少し島の雰囲気も変わってくる。

愛媛県側は農業が中心で、昔の島の暮らしを今もしている感じに見えたけど、広島県側は造船業を中心とした工業が盛んで、家も昔ながらの家ではなく、新しく建てられた家が中心になっている。

商業施設もある程度整っていて、近代的な島の暮らしをしていると感じた。

島のくらしというか普通に本州と変わらない暮らしだ。 それは本州に近い島ほど顕著に表れていて、ここは本当に島なのだろうか?と疑ってしまうぐらい境界線はどこにもなかった。

因島で野宿できる場所を探すため、外周を走ることにした。 そんな簡単には見つからないもので、半周近く走っただろうか、道がだんだんと山の上を目指す坂に変わり、 いつの間にかスカイラインの入り口に合流していたのだ。

そうとは知らずに山の上の絶景コースを通り彷徨ってはいたけど、奇跡的に見つかったのが橋の下にあった公園。 計画性がないことがあだになった1日だった。

日没が迫る恐怖はあまり感じたくないな。


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