道の駅に隣接する公園にテントを張り昨日は就寝した。 人気のない公園で安心したのか、すやすやと眠れた。


人がいないほうが安心できることもあるのだ。 早朝には準備を済ませ、道の駅のベンチで本を読んでいた。

8時ごろになると従業員が出勤してきて、開店準備を始める。 随分とのんびり過ごしてしまったんだな。

二十歳のパートの女の子が近くで作業をしていた。 あまり会話という会話は出来なかったけど、彼女と少し話した。

ずっとここにいるの?東京にでたいと思わない?

彼女には都会で暮らしたい願望はなく、ずっとここ紀宝町でくらしていくということだった。

何か特別なものがあるわけではない片田舎の街で生まれて、生涯くらしていく彼女。 なんだか都会に生まれて、都会で暮し、田舎への憧れをもっている俺にとってその返答は虚しさが残った。 憐みではなく自分の心の虚しさを覗いた感じだ。

出発際に彼女に「ありがとう」って会釈した。

彼女も「はい」って笑顔で会釈した。

妙にテンションの高い出発。 熊野川の河口に鎮座する熊野速玉大社で安全祈願をする。

熊野川はとても綺麗で落ち着いている川だった。水の透明度ではなく全体的な雰囲気が透きとおった感じだ。

昔、貴族達はこの川に舟を浮かばせて熊野速玉大社へと足を運んだそうだ。

海岸から山の中へと脱線して、もう1つの大社、熊野那智大社へと自転車を進めた。

山の頂上にある大社、曲がりくねった道をダンシングしながら登る。

境内の中には見事な滝がありとても綺麗な場所だ。 山の中腹から頂上にかけて、神社・仏閣と集落が存在していて、天空の集落といった風情だ。

まるでラピュタのよう。

また海岸線を進む、今日は風が強く、道のアップダウンがしんどかった。

車道と並行して線路が続いている。時たま、ミント色の単線車両が横を過ぎていく。

和歌山は良いところだな。人も良い。

夕暮れには海岸に面した道の駅に到着。スーパーで買ったビールと刺身で疲れを癒す。

海の向こうに太陽が沈んでいく。真っ赤になった夕日だ。

ビールを飲み、刺身をつつく。 歌を口ずさむ。 そしてテントを張って寝る。


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