眠りが浅かったためか5時に目が覚めてしまった。 やっぱり寒さで起きてしまうね。


3シーズン用の寝袋を用意していても薄着のせいで寒くて寝ていられない。

6時過ぎ、就寝をしていた道の駅のベンチで軽く朝食を済ませ、身支度を整えて熊野古道へと足を運ぶ。

道の駅付近にも何本かの有名な古道が点在していた。

早朝からの行動というのは何とも良い。 清々しさで力がみなぎってくる感じだ。 人間も野鳥も虫も同じように、朝から溌剌と行動をとる。 なんとも力がみなぎってくる。

最初に歩いた道は馬越峠。 先人達が汗水たらして石畳を山道に敷いて作り上げた熊野古道。

どれだけの労力、時間を要したのだろうか。現代の資本主義からすると、こんな採算度外視の事業なんて公共事業でも認められるのだろうか。 石の階段を登るごとに感慨深い気持ちになってくる。

古道を歩いていた時に老夫婦とすれ違った。 60過ぎの仲良さそうな夫婦で二人で歩いている姿は微笑ましいものだった。 キャンピングカーで日本中を旅していて、夏ごろに北海道へと移動するそうだ。

末永く仲良く生きる秘訣とはなんだろうか。 同じ趣味、似たような価値観を持つことで、ずっと仲良くいられるのかな。 愛することを忘れ、飽きてしまって仕方なく一緒にいる、そんな夫婦もいる。

古道を離れて、再び自転車で走り出し、熊野市へと抜ける峠道を越えていく。 山間を抜ければ見晴らしの良い断崖絶壁を走る。

ガードレールが低く、よろけて転倒したらそのまま落っこちてしまいそうな道だった。

汗を大量にかきながら峠を越え、そこからは一気に下り坂。 時速50キロ近いスピードで坂を駆け下りていく。

曲がる時は体を傾け、滑り落ちていく。 自然のジェットコースター。 おたけびを上げたくなるような高揚感と疾走感。

目の前に広がる雄大な熊野の山々、次第に近づいてくる青い海と港町。 もう発狂せずにはいられなかった。

山の裾野にはのどかなミカン畑が広がっている。 のどかな田舎の風景。

無人販売所のミカンを購入し、 小川に架かる橋に腰をかけてミカンをほおばった。

小さな魚が群れを成したり、散ったり。 1時間ぐらいぼさっとミカンを食いながら風景を見ていた。


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