朝、目覚めた瞬間から天気の良さに驚いた。


宿の隣にあるテニスコートから聞こえる覇気のある掛け声が寝ぼけた頭に響いていた。

茶畑や静岡の中心市街を通り抜け、魚臭さが一帯に漂う港街、焼津に昨日辿りついた。

空は雲一つなく晴れ渡ってはいたが、海沿いは強風で、ペダルを漕ぐ足をだるくさせるほどだった。

今日は藤枝市に住む友人と1日のんびりと過ごすことにした。 ギターや自転車、旅と共通の趣味を持つ友人で、ぶらーっと自転車に乗りながら地元を案内してもらうことに。

海に行ったり、河川敷の運動公園に行ったり。 そこではもちろん色んな事を話し、お互いにギターを弾きあった。

吹き荒れる風は自転車を倒すほど急ぎ足で、舞った塵や砂が目に沁みて、お互いの顔をまじまじと見ながら会話なんて出来なかった。

だけど時間はすんごくゆっくり流れていて、旅をしていることをついつい忘れてしまった。

旅は流れて行くだけではなく、そこに留まってゆっくり時間を使うことも必要なんだね。 違った充実感を今日は味わった。そんな気がした。

夕方近くに友人と別れて出発。 自転車を漕ぎ始めた。 御前崎を目指し、風を切って進んでいく。

友人は今、看護学生をしている。もちろん看護士を目指している。

友人が看護士の道を目指すきっかけは、母親が看護士をしていたからだそうだ。

母親の働く姿を幼い頃から見ていて、自分も母親のような人間になりたいと中学生の時に思ったそうだ。

中学生の時に自分の道を見つけられるのは本当に凄いと思う。 10代の頃は自分が何をしたらいいのか、何で生きているのかで、皆悩む時期だと思うから。

夢ってさ。 親が子供に持たせてあげなければならないと思う。

子供が方向性を見いだせるように支えて、時には導いて。

子供は親の背中を見て育つわけで、親が自分の仕事や行っている事に誇りや幸せを感じていれば、きっと子供は親のようになりたいと思う。

友人のように親と同じ職業に就きたいと思うんじゃないかな。


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